「非常勤」タグアーカイブ

【医師向け】アルバイト先のまっとうな探し方・医師の雇い方

医局に属しておられる先生方から、アルバイトの探し方を聞かれることが多いです。先輩方からも聞かれるので最初は「なんで後輩の私なんかに聞いてくるんだ???」と思っていましたが、たしかに自分で就活をするというのはやって来なかった方々にとっては心理的ハードルが高いことのようです。

今回はそんな方々に向けて、アルバイトの探し方を説明しました。非常勤の医師を採用しようとされているクリニックの先生方にも役に立つ内容となっています。

以下、書き起こしです。

今日は、お医者さん向けの話をしたいと思っています。

どういうお話かというと、アルバイト先のまっとうな探し方、ということでお話をしたいと思っています。

というのも、医局に属しておられる先生方って、私も医局には属しているんですけれども、結構そのアルバイトを医局に依存していて、仕事探しみたいなことをしたことが無い方が結構いらっしゃって、アルバイトってそもそもどうやって探すんですか、という質問が意外と多いです。そんなこと聞いてくるか、と私は正直思ってしまったんですけれども、結構悩んでいらっしゃる先生方が多いので、お話をしておきたいなと思います。

普通、医局の中でアルバイト探しというと、いくつかこれまで歴史的に付き合いのある病院とか、クリニックから仕事の話が医局の秘書さんあたりに来ていて、それが一元的に管理されていて、おいしいものから上の先生が取っていって、余ったものを下の医師が取って行くと。あるいは取っていくというか、半ば押し付けられるように行かないといけないということもあると思います。

ですから結局、下の方の先生達にとってはむしろ自分で仕事を探した方が、おいしい場所を見つけられる可能性が実はあるんです。

誰も取らなかったものを押し付けられているだけっていうことが結構ありますので、自分で探すことがある程度許容されているような医局であれば、自分で仕事を探していた方が良いのではないかな、と私は思っていますので、今日の話を参考にしていただければと思います。

アルバイト紹介会社を使うのが一般的かなと思います。あるいは自分の周りの知り合いの先生とか、ご親族などのつてがあって、仕事先を探せるのであればもちろんそれが一番割のいい仕事になるはずです。

基本的にはその知り合いに仕事を頼む時であったり、紹介会社を介さずに仕事を頼む時というのは、コストがあまりかかってませんから基本的には高めにくれると思います。

ただし知り合いだから安くやってと言う人たちも中にはいて、こういった仕事はやんわりとお断りをするのがお互いのためにwin-winじゃないかなという風に思います。

安い仕事を受けちゃって、その人が仕事を受けた先生にとってもだんだん嫌な存在になっていくって、なんか不幸せじゃないですか。ですからそういったことは避けた方が良いのではないかなと思います。

さて話を戻して、紹介会社を使っておいしいアルバイト先をどのように探していくか、というお話をしたいと思います。

まず紹介会社経由で自分が入れそうなスポット勤務、単発の勤務は、たいていこういったものは、非常勤の先生が辞めたとか常勤の先生が旅行とかでお休みを取りたいとか、学会でお休みを取りたいといった事情でこういった仕事は出てきています。

そのスポットを自分が空いてる日に繰り返して勤務をして、ただのスポット勤務であるんだけれども、そんなに大量の仕事が、初めてそのクリニックで勤める先生に仕事を大量に降られるということは基本的な考えられませんけれども、この与えられた少ない仕事を面接だと思って丁寧にお仕事するわけです。

そしたら、だいたいスポット勤務の日には、事務長さんとかが控えていて、連絡先を交換しましょうという話になります。

さらに特に、真面目に仕事をしていると、この人を定期非常勤で雇いたいなという風に思われた時には、特に事務長さんからすごく熱烈な連絡先交換のラブコールが来ますので、交換をしておくとよろしいかと思います。

その場で、来週も来てもらえませんかといういうお話が来ることが結構あります。真面目にやっていると、きちんとそのクリニックの採算性とか考慮して、患者さんへのサービス、医療サービスというか、医療に関しては真面目にやるわけです。

仕事を真面目にやってれば定期非常勤の話が、スポット勤務を繰り返すことによって出てきます。

来週からもずっと来てくれませんか、というお話を即決できなくても、例えば一ヵ月だけトライアルの勤務させてもらえませんかとか、隔週なら勤められますよとか、先生のそれぞれのご希望を事務長さんに言われるとお話がスムーズになるのではないかなと思います。

あるいはその同じクリニックがスポット勤務を繰り返し募集をされていることがあったりして、そういったところに二回三回と行くと、スタッフの方にも顔を覚えられて、かつ診療をきちんと回せる先生、という評判が立てば後から定期非常勤に話が来るという事も結構あります。

先ほどの事務長さんとの直接のお話に加えて、先生の都合が合えばそこでお話をして、契約をしてしまえばいいのではないかなと思います。

なぜスポット勤務をしてみましょう、と私が言ったかと言うと、ちょっと補足の説明をします。

紹介会社とクリニックの契約というのは、スポット勤務はその一回分のお給料のだいたい掛ける20%だと言われています。これが紹介料です。

定期非常勤に関しては、確か毎週来てもらう契約を、紹介会社がそういう医師を見つけてきた対価として、クリニックがどれくらい払うかと言うと、大体3ヵ月分のお給料の掛ける20%だと言われてます。

ですからスポット勤務、単発を×12×0.2、つまりそのスポット勤務2.4回分の紹介料をクリニックは紹介会社に払ってますので、その時も一回だけ勤めた人と個人的な関係性を築いた上で定期非常勤に持ち込むというのが、クリニックにとってもかなりエコノミカルで割に合うわけなのです。

ですからその部分のマージンをお給料に上乗せしてくれたりしますので、勤める医師の側にとってもおいしい話になってきます。

連絡先交換していいの、とか思われる方いらっしゃると思うんですけれども、連絡先を診療所側からしつこく聞くことは当然個人情報の観点からいってアウトなわけなんですけれども、医師から渡すのは問題ないわけです。

普通ビジネスやるんだったら名刺交換するのは当たり前のことですので、医師から個人情報を手渡すのは問題ないということです。むしろ仕事するんだから連絡先を渡すべきじゃないかと私は思いますけど。

それはさておき、連絡先を診療所側からしつこく聞くということが禁じられてるだけであって、医師から出すのは特に問題ないということは、アルバイト探してる先生方には覚えておいていただいて損はないのではないかなと思います。

紹介会社のマージンの仕組みを少しだけ理解をして、働き手である自分と、雇う側のクリニックのwin-winの関係を作るような仕組みを考えていければ、アルバイト探しというのは、今はコロナウイルスの影響で、アルバイトが医師の数に比べて相対的に減ってると言われてますけれども、こういう状況でもこういうことがきちんと全うな就職活動をしてれば、今のところお仕事には困らないという状況だと思いますので、是非来年から探そうとされている先生方とかいらっしゃいましたら、参考にしていただけると幸いです。