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在宅診療所にはコールセンターが必要です

様々な在宅クリニックに仕事に行くと、場所によっては訪問に同行する医師や看護師が診察中に契約患者からのコールを受けているのに出くわします。患者数50人以下の規模のクリニックならば仕方のないことだとは思いますが、ある程度の規模のクリニックではこのような運用は業務の非効率性を招きます。

今回は電話受けをどこで誰がするのか、ということについてお話ししました。

以下、書き起こしです。

こんにちは。
今日は訪問中のスタッフに電話を受けをさせるのは、非常に非効率ですという話をしたいと思います。

これまでの動画で何度か在宅の診療所の、在宅部門の電話受けのコールセンターを設置しましょう、というお話を何回かしてきたかと思います。

その理由はそれぞれの動画では詳しくは説明をしませんでしたけれども、この動画で詳しく説明をしておこうかなと思って、本日撮影をしています。

私がコールセンターを設置しましょう、と言っている時のコールセンターっていうのは、別にコールセンターというオフィスを設置してそこに事務員を雇うということではなく、あくまでコールセンターというのはバーチャルな組織を意味していて、そういう専任あるいはその日の当番のスタッフを置いて、電話を持たせること、これは別に固定電話では当然なくても良くて、携帯電話などでもいいわけです。

ですからそのスタッフに内勤してもらってもいいですし、自宅でお仕事をしてもらっても大丈夫であるということです。あるいは自宅ではなく、そのクリニックの近くの方でなくても、遠隔地に住まわれてる方でもできる仕事ということになります。

ある程度の医療事務的な知識とか、看護に関する知識などがあれば、電話受けというのは出来ますので、クリニックと同じ場所にその方がいる必要は必ずしもない、ということになります。

そのコールセンターで何をやってもらうべきかと言うと、まず患者さんのお話を、御用聞きをしてもらいます。患者さんはやって欲しいこととか、自分か悩んでることを上手に言語化できないということがありますので、まずしっかり聞いてあげて、患者さんのをおっしゃりたいことを、ある程度、医療的な用語を用いてこういう風に困ってるということを、きちんと記載をするということがまず一つ。

そして、それを文字にしてもらって、看護師や担当医に読んでもらうためのメモにしてもらう、というこの二つをコールセンターにやってもらう必要があります。

そのコールセンターには、その在宅の往診を呼ぶ電話には必ず事務連絡が混ざってきます。事務の連絡と診察依頼の電話番号は別々のものをきちんと設けていて、周知をしていても、患者さんにとっては事務連絡と診察依頼の境界線というのははっきりと分からないことがありますので、必ず両者が一定の割合で混ざることになります。

ですからそのコールセンターで電話を受けたら、その事務連絡の部分を除外して医療スタッフに伝言をしてもらう。判断がつかなければそれが事務連絡なのか、医療的な必要性のある連絡なのか、ということを医師や看護師に判断をさせればいいわけです。

とにかく明らかな事務連絡を除いて、医師看護師がそこに時間を割かれることがないようにしていただくと非常に効率が上がります。

その事務連絡以外の医療的な連絡を、医師看護師に伝言してもらって、なおかつ医師看護師は口頭で報告を受けるとともに、テキスト化された文字に打ち込まれた電子カルテですとかグループウェアのどちらかでやればいいと思いますけれども、音声で聞きつつその内容のメモを見つつ判断を下していくことになります。

その判断を下したら、医師看護師から患者に折り返す、あるいは医師看護師がもし手が混んでいてコールバックができないということがあれば、一旦コールセンターに戻して、コールセンターから伝言をさせると言った方法も考えられると思います。

とにかく、診療中に医師看護師に直接電話かかってくると、診療の邪魔になり業務の効率性を非常に落とすということになりますから、このコールセンターの設置は、在宅クリニックがある程度の規模以上になってきたら、必須のことであると私は考えています。

右側にコールセンターをおきましょうと私が言っている理由、それから導入するメリットなどを記載しております。

上からご説明していきます。

ここまでに説明した内容と少しかぶりますけれども、まず一つ目が事務的な連絡が往診依頼の電話に混ざることが非常に多いということがあります。

例えば、次の診察日はいつですか、といったような質問も、患者さんにとっては診療に関する問い合わせなので、本来であれば事務的な電話番号にかけてほしいんだけれども、診察を依頼する電話にかけてくることがしばしばあります。

ですからこういった完全に事務的な連絡を、まずコールセンターの段階で除外をしてもらう、ということが必須になってきます。

そして二番目です。

そもそも診療中は忙しくて、医師も看護師も基本的には手を拘束されてるわけですから、診療をあるいは手技、それから介護的なケアなどに手を拘束されてるわけですので、スマートフォンの着信に出るということそのものが難しいです。

三番目ですけれども、診療中によそからの電話にスタッフが出ているのを見ると、やはり患者さんからたまにクレームが来ることがあります。

診療に集中していない。
診療時間がほとんど電話応対だったじゃないか。
よそのことを考えていたではないか、といったクレームにつながることもあります。

当然私もやっていて、これは患者さんに申し訳ないなと思うこともありますので、診療の質ですとか、見え方に悪影響があるというのが、三つ目のコールセンターを設置すべき理由です。

四つ目ですけども、これは特に夜間帯なんですけども、看護師さんが当直をしてるような場所は、ドライバーがいなくて、看護師さんといっしょの当直だと、運転中に電話かかってきたりしていて、代わりで医師が出ればいいわけですけども、やはりとにかく人手が足りない時に、運転をしているスタッフがいて、そのスタッフの電話がなるとやはり危険運転の可能性がありますので、これもリスクヘッジという意味できちんとコールセンターを設置して、命の危険は回避していく必要があるだろうと思います。

五つ目ですけども、そもそもですが、多くの院長先生が既に実際に現場に出られてない方も多いので、忘れておられるかたが多いわけですけども、外で仕事をしてる時には、通信環境と情報へのアクセス、具体的には電子カルテへのアクセス、パソコンも座って見るのと違って歩いて見たり、暗い車の中で狭い座席に座って見ていたりするわけですので、情報を取る速度とか情報をパソコンにダウンロードしてくる速度が非常に遅いということがあります。

コールセンターをもし設置していれば、コールを受けた人がオフィスや自宅にパソコンなどの、机の上の快適な環境で情報をすぐに引き出して、患者さんと適切なコミュニケーションを取ることができる、と言ったことが考えられますので、この情報へのアクセスという意味でも、コールセンター、落ち着いた状況で電話を受ける人を設置しておく必要があるということです。

本日は少し長くなりましたけれども、訪問中のスタッフに電話受けをさせるのではなくて、できれば電話を受ける専任の担当者を置いた方がいいですよというお話をしました。

ご参考になりましたら幸いです。