「認知症」タグアーカイブ

在宅で診る患者さんを2パターンに分けて説明します

在宅クリニックは通院が困難な患者の療養を自宅で支えることになりますので、多くの先生方にとって自分のspeciality以外の領域の診療も行っていく必要があります。

かといって無限に勉強の手を広げなければならないわけではありません。ここでは患者を2群に分けてご説明しました。在宅事業を始めるにあたってどのようなことを重点的に勉強していけばよいかのご参考にしていただけますと幸いです。

以下、書き起こしです。

こんにちは。

今日は、在宅クリニックをこれから始めようとされている先生方に向けて、在宅で診る患者さんを2つにパターン分けし、どんな患者さんがいらっしゃるかということを明確にイメージを持ってもらうために、この動画を撮影しています。

この2パターンというのは、別に無理やり分けたわけでも苦し紛れにやっているわけでもなくて、大体誰が見てもこんな感じで別れるのではないかなと思います。

まず訪問診療が導入される要件、保険診療として認められる要件を確認しておきたいと思います。これが前提です。

それは通院できない何らかの事情があることがまず必要です。この要件のお陰で在宅で診る患者さんは大体2パターンになっています。

まず多数派の慢性疾患をお持ちの方。具体的には足が悪いため運動器の問題で通院が困難、それから認知症がひどくて通院が困難。あるいは心不全などで歩くことができず、通院する際に濃厚な支援が必要だという場合、通院が困難ということで導入されることもあります。そういったケースをこの慢性疾患の患者さんというカテゴリーに含んでいます。

もう1つが比較的少数派に見えますが、終末期の患者さんです。

癌などでBSC方針。在宅で抗がん剤の内服治療をやってる方もいますけれども、在宅が導入される時点で大体BSCになっていることが多いです。

この2つのパターンの患者さんがいらっしゃいます。それぞれについてご説明をしていきたいと思います。

まず慢性期の患者さんは認知症ベースの方が多いですけれども、比較的月2回の定期訪問の時は病状が変化することはありませんので、合併している生活習慣病や高血圧とか糖尿病の管理も含めて、診療をおこなっていくことになります。

繰り返しますが、こちらのカテゴリに入る患者さんは基本的には状態が落ち着いていることが多く、2週間に1回の診察とたまにお熱が出たりして体調不良のケースで往診に行くといった診療のパターンになります。

もう1つのパターンが終末期の患者さん、癌末期の患者さんです。この診療の導入の契機となった例えば癌などの疾患の対応がメインとなってきます。

比較的こちらの終末期の患者さんについては、リソースの投入が多いです。場合によっては当番医の先生の手も借りながら毎日往診を行うことになります。

クリニックに新しい患者さんとして入って来られてから、急速にお看取りの方向に向かってすぐに亡くなってしまうケースもあります。ただ月に2回以上診察に行っていないと、在宅のお金が取れないといった現実的な側面もありますので、できるだけ状態の悪い患者さんが入ってきたら、すぐに最低2回以上は診察に行くことが、クリニックの経営上は求められます。

もう1つ、お看取りのケースは在宅クリニックで死亡診断書を書くわけですが、その時に亡くなる24時間以内に診察をしていないといけないという、死亡診断書を発行する際のルールがありますので、亡くなる最後のあたりでは連日往診に行くことになります。

大きく分けるとこういった慢性疾患、認知症を特にベースとした患者さんと癌末期の患者さんという2パターンに分かれるということになります。

これら2つのパターンの患者さんの、クリニックにおける見え方ですが、慢性疾患の患者さんの方がやや多いとは思いますが、新規の患者さんの数としてはいずれもそれなりにあります。

しかし癌末期の患者さんは予後が非常に悪く、逆に認知症などの患者さん達は予後が比較的良いですので(それがご家族の手を煩わせたりするということで、問題になったりしますけども)、回転の面から言ってクリニックの中で患者さんとして滞留されている数は、1の慢性疾患の患者さんの方が圧倒的に多数派になります。

早く亡くなってしまう癌患者さんは、基本的には少数派ということになります。

ただし先ほど述べましたように新患としては、いずれもそれなりにいますので、両方に対応できる知識と人材を揃えておく必要があります。

本日の話は以上になります。