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採用薬について意外な盲点ー点滴ルートを取るのに苦戦することありませんか?

患者さんのご家族との合意で「侵襲的な治療は望みませんが、点滴と抗生剤まではやってください」というラインが落とし所となることは多いです。

しかしこのようなケースでは、患者さんの全身状態は良くはなく、点滴ルートの確保が難しいことがままあります。患者家族の視線にさらされながら細い血管と格闘された医師・看護師は多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回の動画では(多少の制約はあるとはいえ)そんなときに力強い味方となってくれる可能性のある筋注のお薬についてお話しました。

以下、書き起こしです。

はい、こんにちは。

今日は、在宅クリニックにおいての採用薬についてみなさん意外に気づかれていないポイントがあるのでお話をしたいと思います。

それは筋注できる薬剤がかなり使えますよということです。

在宅クリニックにおいて、患者さんにお薬を投与するという話になった際、基本的には口から飲んでいただくか、静脈注射か皮下注。それから貼付剤を使うというケースがあると思います。

しかし一つ皆さん見落としていて、筋注というルートがあるということを覚えておいていただきたいと思います。

筋注の薬と聞いて皆さんが何をイメージするかなと想像しますと、基本的には精神科で使うような鎮静剤ですよね。

しかし具体的にひとつだけ名前を挙げると、例えばチエナムというお薬のように抗生剤抗菌薬が筋注で投与できるものもあります。このお薬は一本2000円くらいでして、抗菌薬としてのスペクトラム、効く菌の種類に制約が入ってしまうということはありますが、コスト面で言うならば医師がきちんと診察に行って、診察料を取った上で投与すればいいわけですし、ルートが取れないということは、基本的にはその患者さんはかなりの重症なわけです。

というわけなので、きちんと診察の中の行為として行えばコストもある程度payするということなんです。

どういったケースで非常に力を持つかと言うと、患者さんやご家族の方がどうしても抗生剤を投与してほしいとおっしゃっているけれども、経口摂取が勿論できなくて、かつルートが非常に取りづらいという患者さん

それだけだったら皮下注で何とか訪看さんにきちんと診てもらえればいいですが、いろんな事情で看護師さんすらついていないと言うケースもままありますので、きちんと投与ルートの管理ができないケースにおいては、診察の時に投与してルートをその場で入れて抗生剤投与してまた抜いて帰るというようなことを連日繰り返してるようなこともあり、そういった手間を減らすためにも、この筋注の抗生剤が非常に役に立つ可能性があるだろうというふうに思っています。

先ほど述べましたように少し制約はあるわけですが、意外とこういった投与ルートの確保と人手の確保が困難なケースというのは、在宅の患者さんにおいて実際10%くらいあるんじゃないかというふうに思いますので、その看護師さんの残業を減らすという意味でもこの抗菌薬の筋注というのは、非常に有用なのではないかなと思います。

現時点ではお薬の数はだいぶ限られていますけれども、今後こういったラインナップが拡充されてくることを期待したいと思います。

本日のお話は以上です。