わらしべ長者のお話【在宅医療】

在宅診療所をビジネス的な側面から見た場合に、あるコアな情報が根源となっていろいろな価値が生み出されていることに気づきます。このコアな情報の量を増やし、ブラッシュアップすることが大事です。今回はそのお話です。

以下、書き起こしです。

こんにちは。

今日は少し難しい表現になってしまいますけれども、在宅クリニックって何を社会に提供しているんですか、何を社会に提供してその対価をとしての報酬を得ているのですか、ということについて、皆さんと考えていきたいと思います。

考えていくと言うか私の考えを一方的に述べるだけになってしまうんですけれども、ここは非常に重要なポイントだと思っているので、これまでの動画でも何度もお話をしてきたわけなんですけれども、今回も繰り返しお話をしたいと思います。

在宅クリニックに勤め始めた従業員の方、医師をはじめとして看護師、事務系の職員、それからドライバーさんとかいろんな職種の方がいらっしゃいますけれども、勤め始めたばっかりの方によくある勘違いというのが、在宅クリニックとは、外来の患者さんメインのクリニックと一緒で、その診察という行為を売っている、診察と処方箋お薬という目に見える形ある行為を売ってる、というような認識をされてる方が大多数であろうと思います。

しかし、実際に在宅クリニックが、結構な診療報酬を定期の訪問診療の契約をするといただけるわけですが、ただ診察をしているわけではない、ということをよく理解した上でサービスを運用していかないと、患者さんや患者さんを取り巻く周りの人たちからの信頼は全く得られないということになります。

順を追って説明をしていきます。

例えば患者さんを数百人抱えていらっしゃるとします。月曜日から金曜日、あるいは月曜日から土曜日までかけて、その何百人の患者さんを何人か医師を雇って、毎日に2ルート3ルート、ドライバーを雇って、車を買って、訪問するルートを作って、診察という行為を二週間に1回やる、ということでその診療報酬の要件自体は満たせるようになるわけです。

患者さんが何百人いて、元気な人もいれば重症な人もいて、一緒くたなのですが、ただ順番に毎日毎週同じルート回って、何週間に1回とか回って、診察をこなしていればそれで在宅クリニックのやるべきことが済んでいるかと言うと、全く済んでいないです。

実際にやらないといけないのは、診察をした患者さんを定期訪問へ二週間に1回行くだけではなくて、実際に急に体調崩されたら往診に呼ばれて行ったりしないといけないわけですし、仮に定期で行っている方についても、いろんな指示書というのを出してます。

訪看さんとかリハビリの理学療法士の方々に指示書を出してると思いますけども、こういったものもきちんと書いていかないといけません。

あとは行政です。ケアマネさんへの情報提供とか、クリニックの職員に対しては仕事の仕方を教えるというか、職員教育とか言ったこともきちんとやっていかないといけません。

患者に関わるいろんな人に対して、価値が提供される場面って、この定期、比較的時間をかけて行なってるかもしれませんけれども、落ち着いた患者さんへの定期訪問というよりは、病状が動いてる患者さんに関して、例えば往診で呼ばれたり、指示書の内容を変更しないといけなかったり、こまめに情報提供しないといけなかったり等、基本的には重傷者のリスト、あるいはそのソーシャルな課題を抱えていらっしゃる要注意の患者さんのリスト、この二つから発生しているわけなんです。

この数少ない患者さんからクリニックがやるべき仕事が実は生まれてきています。

こういった患者さんが適切な医療を受けられて、社会的支援を得られるようにするのが在宅クリニックの仕事と言っても過言ではないです。

実際に定期の訪問を週に二回すべての患者さんで行いつつも、それはなぜやっているのかと言うと、重傷者とか社会的な問題を抱えていらっしゃる患者さんを抽出するためにやってる、というふうに認識をした方がいろいろと理屈があってきて、クリニックを経営されている先生にとってかなり役に立つんではないかなという風に思います。

その少数の一割二割の重症者、あるいは要注意患者から指示の変更とか突然呼ばれたりする往診とかが発生してきますので、こういったことにクリニックはリソースを使わないといけないし、有難いことに医療に関してはリソースを使ったら使った分だけ、診療報酬というものが付いて、後からきちんと返ってきますので、社会に提供する価値と診療報酬の源泉は重傷者リストと要注意患者リストから生まれてるということを認識されると、経営上かなり良くなってくるのではないかな、と思います。

また経営だけではなくて、こういった重傷者リスト要注意患者リストについては、毎日カンファレンスを行って看護師の間で情報共有をさせる。その看護師間だけじゃなくて日勤帯と当直帯の間での情報共有を、必ず引き継ぎをさせるといったことです。

そうすることで業務量を減らし、無駄な業務を圧縮することができるようになってきますので、是非取り組まれると良いんじゃないかなと思います。

特に重症患者の状態を毎日確認して、必要があれば電話などもして、頻回の往診を行って情報収集を行うことで、夜中とかに突然呼ばれる確率を減らすことができますので、先手を打って重症患者に適切な医療を提供していくということを、積極的にやっていくことが、その患者に関わる全ての人にとってのメリットになりますので、是非とも重症者患者リストの整備、要注意患者リストの整備にクリニックのリソースをしっかり割いていただきたいなという風に思います。

今日はちょっと抽象的なお話になってしまいましたけれども、在宅クリニック立ち上げの時はこういったことをケアするの難しいかもしれませんが、しばらくやってるとここがフォーカスすべきということが、だんだんわかってくると思いますので、それを実感された際には、こんなこと言ってる奴がいたなと思い出していただけると幸いです。

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