定期訪問をスムーズに進めるために必要な2つの情報の整理

在宅クリニックの診療業務は、月2回の定期訪問と突発的な往診に大別されます。今回は2週間に1回の定期診察をスムーズに進めるために日頃から院内でやっておくべき情報収集と整理はどのようなことかを説明しました。

以下、書き起こしです。

こんにちは。

今日は定期訪問をスムーズに進めるためのアイデア、ということで、在宅の普通の契約は月に2回診察に行きます、という契約が基本形ですので、この二週間に1回の診療をいかにスムーズに進めるか、といった観点で話をしていきたいと思います。

まずはじめに、これまでの動画でも何度も申し上げてきたんですけれども、在宅医療というのは、基本的に情報を集める作業である、ということを前提としてお話をしたいと思います。

例えば、月に二回患者さんのお宅に診察に行って身体診察をやって、お話を伺って、処方箋置いてくるという、目に見えるサービスだけを提供しているわけでは、もちろんありません。

あるいは訪問看護師さんへの指示とか、リハビリの指示とか、その他書類を作ってあげるという目に見えるサービスだけを提供しているわけではありませんし、それ以上のことが求められています。

それはやはり、情報を集めてその方の予後を予測をしたり、あるいは重症なのであれば、重症であるあなたはこれぐらい診察が必要ですよ、とかそういった情報を、患者さんに提供すると、普段とこれまでとあなたは違ったことが必要ですよ、ということを提案する、情報を受け取って情報を与えるという一連のサービスが求められています。

そういった観点から、多くのクリニックではされていることと、少しやってないクリニック多いかなと思うポイントを、それぞれ一つずつお話をしたいと思っています。

まず一つ目は、重症者リストの整備です。これは大半のクリニックがやっていると、私が見た数十のクリニックの多くのクリニックでは実際行われていたと思いますので、あえていうこともないのかもしれませんけれども、まだ導入されていない少数のクリニックに対しては、是非導入するように、ということを申し上げたくてお話をしています。

重症者というのは、普通の病院でもそろそろお亡くなりになる可能性が高いので、個室に移されていたりとか、重症者に対する対応というのはやはりみんなでマークをして、丁寧にこまめに対応しているわけです。これを在宅医療ってのは、分散型の家で行う介護医療院みたいなものですから、在宅のクリニックにおいても自分達の抱えている患者さんの内、重症な人はきちんとリスト化をして、普通の人よりは厳格に干渉していく必要があります。

重症者の患者さんは基本的に、毎日往診に行ってもいいレベルですので、できれば毎日、それが無理であれば、二日にいっぺんとか、三日にいっぺんとかのレベルで頻回に往診に行って、体の状態をきちんと見た上で指示の変更が必要であれば変更して、ご家族に適切な説明を行ってということを、こまめに行っていく必要があります

こういった患者さんは行くたびに症状や状態が変わってることが多いですので、きちんと毎回申し送りの時に、今日はこういう状態であったということを、特に日勤帯から当直帯に申し送るということが大事です。

当直帯に亡くなることが結構、当直帯というのは結構時間が長いので、お看取りに立ち会うことが多いわけですから、きちんとした情報を申し送って、スムーズに死亡診断書の発行が行えるようにする必要があります。

二番目ですが、これはあまりやられてないクリニックが多いように思うんですけれども、社会的な意味で、サポートの薄い患者さんのリストをきちんと整備して、こまめに電話をかけるとか、実際に行ってもいいのですが、あるいは訪問してくれてる訪看さんとの連絡を密にするという手段でもいいですけれども、とにかく患者さんの周りのサポートの薄い方に関しても、きちんとリスト化して細やかな対応が必要であると思います。

患者さんのサポートが、手厚い方とそうでない方のばらつきが非常に大きいのが在宅医療の特徴でして、やっぱりお金がなくて在宅のクリニックとしか契約ができない、つまりヘルパーさんとか訪問看護師さんのお金は払えないからは契約しませんっていう、ちょっと在宅のクリニックからすると困るわけなんですけど、そういった患者さんも、まあまあいらっしゃいます。

ご家族がいるんだけれども上手にケアできないとか、ご家族の判断力があまりなくて、重症化していてご本人が呼びかけにも答えない状態であるのに、救急車も医者も呼ばないご家族も中には結構いらっしゃいますので、そういった何か過去に、いわくつきと言うと失礼かもしれませんけれども、過去にその管理を失敗した、失敗された経験のある患者さんについては、訪問をする月に2回の訪問の前日とか2日前とかに、クリニックの方から、看護師からでもいいので、電話をして、体調お変わりありませんかということを予め聞いておく必要があると思います。

定期訪問に行った時に患者さんから全然起き上がれなくて、もう3日ぐらいこんな状態なんですよって突然言われたりすることがたまにあって、こういったことが起こると当然その患者さんにはその場で点滴を実施したり、救急隊さんに引き継いだりといったことをしないといけないわけですから、予定が大きく崩れる原因になるということです。

こんな状態になってしまうと、もちろん患者さんにとっては重症な状態まで放っておかれて、命の危険にさらされているわけですし、ご家族ももっと早く連絡しとけばよかったという後悔の念に駆られることになりますし、医療者の側としても次の訪問の時間を何十分も遅らせてしまうということで、誰も得をしない状況になりますので、定期訪問を厳格にスムーズに行うためにも、情報の収集を診察の前に行っておく必要があるということです。

今日は定期訪問をスムーズに進めるためのアイデア、ということで二つお話をしました。

重症者リストを整備をしておいて、こまめに往診に先に行っておくということ。
定期訪問の間に緊急往診が入るリスクを大分減らすことができるという意味で、この一番をあげています。

二番目は、サポートの薄い患者さん、なかなかクリニックに異常の報告、体調の変化の報告をしてこない、情報が集まりにくい患者さんに関しては、クリニックから積極的に連絡を行っていく必要がある、というお話をしました。

一番は多くのクリニックでされていると思いますけども、特に二番、積極的に情報を集めに行く、患者さんのところに行った時だけ情報を集めるのではなくて、その前日とかにも情報を集めていいんですよということ。その診療と診療の間の二週間は、何もしない二週間ではなくて、次の診療に向けた情報を収集する期間だという風に捉えて、訪問診療を進めていただければと思います

本日の話は以上です。

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