医学的なこだわりが、コメディカルの低評価を招くことは在宅でもありますが・・・

多くの先生方のメンタルを削る問題に、「医学的に妥当な指示を出したのにコメディカルから猛反発を食らった」というものがあります。これにより所属の医療機関を辞めてしまう人がいるくらい大きな問題です。在宅の現場においてもこの問題は例外なく存在しています。しかしその情報の伝わってきかたに違いがあるというお話をしました。

以下、書き起こしです。

こんにちは。

今日は訪問診療をやっていて、非常勤の先生が特に辞める原因になるきっかけになり得ることについてお話をしたいと思います。

それは何かというと、自分が医学的に妥当だと思って出した指示が、いろんな外野から、あの先生は視野の狭い先生だ、了見の狭い先生で下手くそな指示しか出せない、という風にいわれのない噂をされることがあって、自分の医学的な、かつ正当なこだわりが、単なる了見の狭さだと勘違いをされてしまうことです。

訪問診療もしくは一般のクリニックでもそうではありますけれども、特に訪問診療の現場において、そういう勘違いをされる事がありますので、特に医師に向けてお話をしたいと思います。

例えば、医師が血糖の指示とか点滴の指示を、訪問看護師とかに療養上の指示を出すわけです。そうするとその指示を受ける側の看護師さんにとってみると、基本的には時給で働いているわけなので、その単位時間あたりが忙しくなるような指示の出し方だと、基本的にその医師に対して良いふうには思わないという、ちょっと残念な構造が現実の医療制度において存在します。

こういった医師にとっては、いわれのない噂などについてどのように対応していけば良いかということを、少し考えてみました。

まず第一点目ですが、そのいわれのないと言いつつも、こちらが改善できるような所があれば、改められる所があれば改めるというのがまず最初のポイントになります。

頭を柔軟にしていただいて、変えられるところは変える。後から述べますけれども、いろんな専門職の知識も活用して、改められるところは改めるという心持ちで対応することが、やはり一般の開業医レベルにおいては大事なことだろうと思います。

もちろんこれは、患者に不利益の及ばない範囲で変えるということは、言わずもがなであります。

こういった噂が、指示を受けてる側の訪問看護師さんたちの不満が大きくなってから、突然クレームとして入ってくるというようなことがままあって、やっぱり前振りなくこういうこと言われるとびっくりするわけなんですよね。

なのでそのあちらの指示を受ける側の、先方の不満が大きくなる前にどうやって聞き出してくればいいか、ということについて少しアイデアがありますので、述べておきたいと思います。

それは自分のクリニックで雇ってる看護師を、在宅医療のワークショップっていうのは最近、時期ごとにかなり活発に行われていますので、クリニックの看護師を研修として外部のワークショップに、お金を払って行かせるというのが一つアイデアとしてあるのではないかと思います。

看護師さん同士では結構忌憚なく、お宅のクリニックの先生はこういうところがなってないんだよ、という話をかなり直接的な表現でやっていることが多くて、むしろ看護師が何も知らずにそういう外部のワークショップに行くと、自分のところの先生をかなりけなされているような感じになって居心地が悪くなったりするようなことがあるみたいなんです。

その看護師にも、むしろ自分とこのクリニックのやり方について、外の人はどう思ってるのかを聞いて来てほしいと。勉強やその講演の内容を聞きに行くのもありなんだけれども、そういう噂を収集するために行ってくれ、ということ予め看護師に言っておけば、そのアンテナがその講義の内容だけじゃなくて、そういったとこににも向いてくるので、かなり得るものが多いワークショップになっていくのではないかな、という風に思います。

そしてその研修派遣のコスパを、クリニックにとって最大化できるのではないかという風に思います。

これが看護師に、クリニックの院長先生なり非常勤の医師に対する外部の評価を持ってきてもらう一つの方法です。

もう一つは、医師と看護師だけじゃなくて第三の職種、例えば薬剤師とか理学療法士とかそういった人たちを、短時間コンサルタントとして雇って、カルテ診をしてもらったり、医師の相談を受ける時間を持ってもらうというのが、ひとつの対応策かなと思います。

例えば薬剤師は薬の剤型とか服用のタイミングをどういうふうにまとめられるかとか、一包化の知識とか、それからこのお薬は特殊な薬で、朝一に飲まないといけませんよ、などの細かく医師が苦手な情報を知っているというのはやはり薬剤師の医師に勝る点であると思いますので、彼らをコンサルタントとして雇うというのがひとつの方法です。

特に訪問診療の処方箋を受けてるような薬局で勤めてる薬剤師さんは、おそらく他の訪問診療クリニックの処方例などをよく知ってると思いますので、あちらの先生はこういう風に出してますよなど、個人情報を伏せた上で、横のクリニックの技術を盗むようなことを、薬剤師をコンサルタントとして雇えばできるということになります。

こういった看護師さんを経由した、他の外部の看護師の自分のクリニックに対する評価とか、第三の職種に自分の所のクリニックの診療内容を評価してもらったりするということで、自分の診療、あるいは自分の雇ってる非常勤の先生に対する診療、非常勤の先生の診療に対する評判を知っていて、外からの評価が妥当でないと却下するのと、知らずにただ言われっぱなしというのとでは、全然立場が違くて、今後のクリニックの伸びとか患者さんからの評判、ケアマネさんからの評判、などもに大きく影響してきます、ということを申し上げておきたいと思います。

今日は、医学的な自分のこだわり、しかも妥当なこだわりが、外部から誤解をされて、あそこの先生は了見の狭い先生だったよ、という風に間違って意図が伝わってることが多々あって、それがやはり訪問診療をやっていく上で、いろんな先生方の嫌気がさす原因になっているということがありますので、それに対する対応策と、どのような心持ちでそうった外部の評価を聞けばよいか、ということに関するお話をしました。

やや複雑なお話になってしまいましたけれども、クリニックの立ち上げ当初はこういった問題はあまり生じて来ないかと思うんですけども、だんだんやっていくうちに、このような悩みってのは出てくると思いますので、そういった時の参考にしていただければ幸いです。

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