非常勤医師へのクリニックの治療方針の浸透のしかたについて

在宅診療所が大きくなってくると院長先生個人の力だけでは患者さんの診療をまかなうことはできず、非常勤の先生に手伝ってもらうことになります。しかし、メジャーな病気であっても医師によって治療内容には微妙な差が出てきます。

患者さんの混乱を招かないためにもクリニック内である程度のスタンダードを定める必要性が出てきますが、電子カルテ上のやりとりだけではクリニックの方針の浸透は困難です。看護師らコメディカルが医師に進言するのもなかなか気が引けることも多い状況で、どのような仕組みを作れば非常勤医師とのコミュニケーションが上手くいくようになるかご説明しました。

以下、書き起こしです。

今日はお医者さんへの院内ルールの浸透、というテーマでお話をしたいと思います。

院内ルールというのは病院で言うところのクリニカルパスに相当すると思います。

それぞれのクリニックで院長先生が、この病気に対してはこういった治療をする。こういった病態・症状に対してはこのような治療をする。ということをだいたい決められていると思います。

クリニック内はそれをバラつかせない方が良く、同じ症状の患者さんに対して、それぞれの医師で違う治療が行われてしまうと患者さんが混乱することもありますので、クリニックの中でルールを統一していくことは大変良いことだと思います。

ただし非常勤の先生をたくさん雇われていて、それぞれの医師と膝を詰めて院長先生の方針をお話しする機会がなかなかないことも結構あり、実際に多くのクリニックで同じ病気に対する治療がバラついているという現状はよく見られることです。

対策

それに対する対応策として月並みではありますが、こちらに4つあげました。

まず1つ目がカンファレンスをきちんと行うこと。長いカンファレンスである必要はないので、できれば毎日短い時間帯で、問題症例・重症な症例を院長先生の見てるところで担当の看護師がshortsummaryを述べ、どういった方針でするかを院長先生の前で決めていくという事が一つ仕組みとして必要ではないかと思います。

こういったカンファレンスをできない状況であれば、院長先生がカルテ回診をするというのも一つの手ではあると思います。

カルテ回診をする場合においても、重症な症例や特に見て欲しい症例について、担当のコ・メディカルが要検討症例を報告・上申する場所、あるいはそういったシステムを設けておく必要があると思います。

院長先生が示した方針に従って、往診に行った医師はその通りに処方を出したり場合分けを決めるということをやってもらう方針で良いかと思います。

院長先生も専門ではない分野があると思いますので、週に1回・2週間に1回・月に1回、特定の科の専門医の先生をコンサルタントとして呼んでいることがあると思います。

それぞれの専門領域の場合分けと治療についてはこういった専門医の先生方のお力を借りて院内のパスを作り、それぞれの主治医がその指示に従って処方なり指示・処置をしていくということが考えられます。

ここまではいろんなクリニックで実際にされていると思いますが、更に院内の治療方針・院内ルールを浸透させて行こうと思った場合、基本的によくあるcommonな疾患や病態についての治療がばらつくことが一番よくありません。

例えば肺炎や尿路感染といった病気で抗生剤なり点滴をして重症な状態が続いているという患者さんが、大体数百人患者さんを抱えておられたら、常に2,3人はいると思います。あえて主治医ではない、慣れていない先生や非常勤の先生に重症の患者さんを日替わりで連日往診に行ってもらい、そのクリニックがどういった薬や点滴をしているのか方針を覚えてもらうのもひとつの手ではないかなと思います。

重症の患者さんの治療方針をいきなりガツンと変えることはあまりなく、今日もまた重症から脱することができていないから点滴が必要ですよね。という治療の適用を医師が判断するというのが診察の主な目的になりますので、バイタルを測って全身状態を見て、今日も点滴がdoでいいですね、ということを患者さんの主治医ではない非常勤の先生に行っていただくのです。

重症患者の往診は基本的に重症だから当然本来毎日往診に行くべき人なので保険も切られないことが多いですし、ある一定の時間帯、交通渋滞がないような時間帯に固めておけば(朝一や夜勤帯の先生の夜勤の始まりの時間帯)効率よく重症患者さんの日々の観察のための往診を入れられて、院内ルールの浸透が早まるのではないかと思います。

今日は、非常勤医師の院内ルールの浸透。院内ルールというのはそれぞれ特にメジャーな疾患の標準的なそのクリニックでの治療や薬の使い方について院内ルールを浸透して行くにはどのような方策が考えられるか。ということで話をしました。

ご参考になれば幸いです。

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