電子カルテか紙カルテか問題について

在宅クリニックにおいては、どのようなカルテを導入すればよいのでしょうか。紙カルテは今更禁忌なのでしょうか?

以下、書き起こしです。

こんにちは。

今日は在宅クリニックで院長先生がよく悩まれる、電子カルテが良いのか紙カルテが良いのかという問題についてお話をしたいと思います。

世の中の流れとしては、やはり電子化・ペーパーレスということで電子カルテ一択だろうと思われてる先生もいらっしゃると思いますが、実は私が何十箇所も色々なクリニックをまわってきた中で、紙でもうまくまわせているクリニックは意外とあるんだということに気づきました。

ご自身のクリニックの状況に合わせて、電子カルテなのか紙カルテなのかを選択していただければいいと思いますが、それぞれの長所と短所をお話していければと思っています。

まずメリットの話をしてその次にデメリット。さらにその次に条件や対策といったお話をしたいと思います。

メリット

では、まずメリットの話です。電子カルテのメリットはスペースを取らないということと、多端末で見られるポータビリティです。これが電子カルテのメリットになります。

一方で、紙カルテのメリットはコストが安いということ。ソフト代やパソコン代がかからないということです。

そして実は紙カルテを使っていると、コメディカルが鍛えられるというのが大きなメリットだと思います。

電子カルテに頼らないのでコメディカル(特に看護師)が鍛えられ、自分の担当患者について非常によく調べて暗記をするようになっているクリニックが多いです。

ですから優秀な看護師を雇えるような環境にあるのであれば、紙カルテでも運用は可能です。

デメリット

次にデメリットの話に移りたいと思います。まず電子カルテのデメリットはコストが高いことです。紙カルテの裏返しですがカルテや端末、それからポケットwi-fiを往診ルートがいくつもあるなら、その数だけ契約しないといけないですし、その分のコストがどんどんかかります。そして一旦、電子カルテをある会社と契約してしまうと変更が非常に難しくなってくるというのも一つのデメリットかと思います。

そして紙カルテのデメリットです。在宅クリニックにおいて、やはり顕在化しやすいのは保存スペースの問題です。カルテというのは紙の束ですので結構スペースをとります。カルテ庫を用意できないのであれば消極的にではありますが、電子カルテ一択ということになるとは思います。

もう一つ紙カルテのデメリットは、カルテがひとつしか存在しないのできちんと持ち歩かないといけないということです。これが紙カルテのデメリットかなという風に思います。

そしてそれぞれを採用するときの、条件と対策のところに移りたいと思います。

条件・対策

電子カルテを採用する時の問題点は、実は医師のカルテが長文化・散文化してしまって一見何を書いてるかわからない。整理されていないカルテになりやすいということです。

環境の悪い中でカルテを医師が書いてるわけですから、コピペ・コピペで雑なカルテになりやすく、緊急事態などに紹介状を書く時、その人がどういう経緯で何の治療をされていて、ある薬が何の病気のために出されているのかといったことが、一瞥してわからないような構造になってしまうことが多々あります。

ですので、担当の看護師ですとか事務がきちんとサマリに手入れ、もしくはサマリを作っていくような体制の構築が、電子カルテを採用する場合には必須となってくると思います。

そして電子カルテのもう一つのリスクは、クリニックの状況と合わないカルテのベンダーを選んでしまったり、パソコン・タブレット・スマホ等クリニックの実態と合わない端末を選んでしまった時に、お金が非常に無駄になってしまうリスクがあると思います。

ですから選ぶときはきちんとテストをして、色々なものを触って職員にも意見を聞いてみて、慎重に選んでいただく必要があると思います。

次に紙カルテの対策です。紙カルテを採用する条件ですが、私が見たところ最も多くても患者さんが200人規模までかなと思います。

保存するスペースの問題などがありますので、300人・400人・500人となってくると、ちょっと紙カルテは難しいのではないかと思います。したがって200人以下限定ということで紙カルテがまわせる条件を挙げておきたいと思います。

そして紙カルテでやるのであれば、夜も看護師中心にまわした方がいいだろうというふうに思います。

と言いますのも紙カルテの場合は、病歴などについて断片的な患者さんからのお話を受けただけで、きちんとそのバックグラウンドに想像が膨らませられるような、医学的なことをある程度咀嚼できる人が電話受けをしないといけません。

すぐに患者さんの情報を引き出せない。検索すれば出てくるというものではなくなってしまいますので、そういったリスクと言うか対策が必要になってきます。

そしてナースがいくらできるとは言っても、きちんと日勤帯の人から当直帯に、危ない患者についての申し送り等をしておかないといけません。

人の頭のメモリーには限りがありますので、きちんと看護師がサマリをその場に覚えておかないといけないような人に関しては、細かくミーティングを開くなどして、当番の電話受けの人に暗記をしてもらうという仕組み作りが必要になってきます。

本日は、電子カルテか紙カルテが問題という、よく院長先生達が悩まれる問題についてお話をしました。

本日のお話は以上です。ご視聴いただきありがとうございました。

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