クリニックの特色を少しずつ出していったほうがよいというお話

社会貢献とクリニックの黒字を両立するバランスが大事です。院長先生が目配せすべきことについてお話ししました。

以下、書き起こしです。

こんにちは。

今日は、『「何でも診ます」というクリニックが陥る罠』というタイトルでお話をしたいと思います。

どういうことかと言うと、クリニックの特色を打ち出していきましょう、というお話です。

患者さんが少ないうちは、必死で患者さんをかき集めないといけないので、どういう患者さんでも診ますよ、とにかく紹介してください、ということで営業を行っていくわけなんですけれども、だんだん患者さんが集まってきて自分が今雇っている人員で捌けないぐらい、ちょっとキャパオーバーになりがちかな、という所になってきたら、だんだん特色を打ち出して患者さんを集めていきましょう。

どういう特色を打ち出すべきかは、その先生の得意分野に沿ってやっていけばいいと思いますが、一応事例を紹介しておきますと、がん末期の方の緩和ケアや、あとこれは都市部でよくありますけれども、近くに大学病院があったりして心移植の待機の患者さんがいるようなエリアでは、心不全の緩和ケアとか心不全のケアに関して特色を打ち出しているクリニックというものが成立しえます。

基本的に在宅のクリニックというのは内科の先生がやってることが多いんですけれども、整形外科の先生とかであれば、整形疾患もきちんとレントゲンとかを取ってすぐに対応できますよ、ということで特色を打ち出されているところもあるかと思います。

具体的な特色というお話はこの辺にしておいて、今日はどうしてこういう特色を打ち出す必要があるのか、という話をメインにしたいと思います。

在宅のクリニックというのは、患者さんが歩いて来られる外来のクリニックとは違って、患者さんの紹介がケアマネさんとか地域包括さんからが多いというのがひとつの特徴です。

こういったケースの中には、ソーシャルの問題を抱えた患者さんが当然多くなるわけでして、ソーシャルな問題、特に貧困の問題と密接に関わっています。

金銭的な問題とか、ご家族とかご本人の固定観念、独自のこだわりがあったりしてそれがゆえに貧困になっているわけなんですけれども、こういった少し問題を抱えた方々は、お医者さんはお家にあげてもいいけど、それ以外の訪問看護師さんとかリハビリの人とか、あとヘルパーさんとかを家に入れたくないと言う独自の考え方を持っている方もいらっしゃいますし、あとは単純にお金がないからこういったお医者さん以外はお断り、という風にケアマネさんに強く主張している方もおられます。

一旦医師がおすすめをして、こういった訪問看護、リハビリ、ヘルパーさんなどとの契約が済んでも、すぐにそのサービスを切ってしまうという方もいらっしゃいます。

こういった方々は診療に行った時に、まるでヘルパーさんのような家事を手伝うように要求されたり、訪問看護の一時間枠ぐらいを取らないとできないようなケアを、診療のついでにやりなさい、という風に要求をしてくるような方もいらっしゃいます。

こういった過剰なサービスを要求された場合に、これを断らずに全部受けていると、当然現場の疲弊を招いてしまいます

あるいは現場が疲弊するだけではなく、他の患者さんの診療時間が短くなったり、他の患者さんの診療がせわしなくなったり、ということになってしまいます。

ですからこういった患者さんが増えていないかを、院長先生は特に監視をしておく必要がありますし、自分の所のキャパオーバーになってるようであれば、お断りをするというのも一つの手です。

ある程度の社会貢献というのは必要でありますけれども、その診療のクオリティを下げてまでそれをやるというのは、他の患者さんに迷惑がかかりますので毅然と断るべきです。

こういったことを防ぐためには、やはり能動的に集患を行っていく必要があって、自分のクリニックが力を入れている疾患とか病態についてアピールをして、患者さんに直接アプローチをする、という手を持つというのが大事になってきます。

本日は、何でも診ますという便利屋的なクリニックが陥る罠、ということでお話をしました。

是非クリニックの患者さんが集まってきたら、クリニックの特色を打ち出していただいて、社会貢献とクリニックの運営の両立をしっかり図っていただければ、という風に思います。